🌿 はじめに

2025年10月某日、名古屋・東山植物園を訪れたわたしは、園内をカートで巡る取材の途中で、ボタニカルアート展を中心に秋の植物園を満喫してきました。

穏やかな秋の陽射しの中で感じた、植物画の繊細な筆致と、園内に咲く花々の美しさ。
そのあいだに流れていたのは、静かだけれど確かな“いのちの気配”でした。


🍁 秋の植物園で感じた、いまの景色

今回が2度目のカート乗車。

9月下旬に訪れたときは、まだ夏のような暑さが残っていて
——その日が、わたしにとって初めてのカート散策でした。

そしてこの日、同じ道をもう一度めぐりながら、前回との違いをじんわりと感じていました。
秋の陽射しをやわらかく受け取っている植物たちの中でもとくに印象的だったのは、ハスの花


本来なら枯れていてもおかしくない時期だけれど、
日当たりの少ない場所にあるからか、今も咲き続けてくれていて——

「こんな時期まで…」と思わず見入ってしまう姿でした。


🌼 植物園での小さな出会い

カートで巡るひとときでは、植物園の常連Mさんとお話しする機会も。

何年も前から植物園に通い続けているというMさんは、
園内のカートも日常的に利用されているそうです。

「乗車しながら、その日その日の草花の表情を眺めているのよ!
ほら、みんながこんにちは!って挨拶してくれてるみたいでしょう。」


そんなお話を聞いていると、まるで植物園と日々を共にしているような暮らしぶりが思い浮かびました🌿

「年間パスポート、絶対いいわよ!」と笑顔で教えてくださり、
2〜3日おきに通っているというMさんの、植物への愛情が伝わってきます。

花を見ながら歩く時間は、癒しと運動の両方を叶えるもの。
まさに“暮らしのリズムに寄り添う散策”という言葉がぴったりでした☺️


🎨 ボタニカルアート展で出会う、植物の表情

散策のあとは、植物会館で開催中のボタニカルアート展へ。

展示室に、額縁に収められた植物画たちが並んでいました。

一枚一枚の作品には、描き手の観察眼と繊細な筆致が宿っていて、
花びらの重なり、葉脈の流れ、実の質感——


そのすべてに、静かな生命の気配がそっと。

描かれた植物と向き合うことで、実物を眺める時とはまた別の発見がありました。

そして、展示を見ていると再びMさんに遭遇!
作品の一つである琵琶の絵を二人で見ていると、ふいに昔の記憶が。

「収穫したらすぐ服で土を拭いて、そのまま畑でかぶりついてました!」
「わかるわあ。あの時間は格別よね!」

びわの木、畑の土、夕暮れの風。
植物をきっかけに、記憶と季節が交差するようなひとときを過ごせました。


🍃 おわりに

ボタニカルアート展で出会った植物画たちと、園内に咲く秋の花々。

描かれた植物と、生きて咲く植物。
それぞれに“いのちの在り方”があって、静かに、でもしっかりとそこにあるように感じました。

また季節がめぐったら、そっと訪れてみたい。
植物たちと、ちいさな物語を交わすために🌿

✍️ 文・写真:スタッフわらび

🔗 過去のイベントレポートはこちらから


🌸 お知らせ|次回展示とイベントのご案内

①ボタニカルアート はなびら作品展

植物会館では、次回展示として ボタニカルアート はなびら作品展 が開催されます。

会期:2025年10月15日(水)〜10月26日(日)
時間:9:00〜16:45(最終日は16:00まで)
会場:東山動植物園 植物会館

➡️ 展示案内はこちら(東山動植物園公式サイト)

「はなびら」をテーマに、ボタニカルアートならではのやわらかな筆致で描かれた作品が並びます。
ふだんとは少し違う視点で、植物の世界をのぞいてみませんか?🌼

②東山動植物園 秋まつり

園内では、季節を彩る 秋まつり も開催されています🍂

期間:2025年10月11日(土)~2025年11月25日(火)
場所:東山動植物園 全域

➡️ 秋まつりの詳細はこちら(東山動植物園公式サイト)

秋の草花や特別展示、イベントなど、園内のあちこちで季節の変化を感じられるプログラムが用意されているようです🎶
お散歩とともに、ゆっくりと秋のひとときを楽しんでみてください。


掲載について 🌿

本記事に登場する「Mさん」には、
お顔写真・本名を伏せた形での掲載をご了承いただきました。

植物園での偶然の出会いを通して、
日々をていねいに重ねることの尊さを改めて感じた時間。

植物園さんを通じていただいたご縁に、心より感謝いたします🍀


📸 撮影・記録協力:東山動植物園さま